みなさま、あけましておめでとうございます。
さとみ(@stm_nd)です。
旧年中お世話になりましたみなさまも、新しくご縁をいただくみなさまも、
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さてわたし、ついにジェームズキャメロン監督話題の最新作、アバターウェイオブウォーターを観に行ってきました…!!
3時間15分の長編作品なので、
と一抹の不安を抱えつつ劇場へと足を運びましたが、そんな心配1ミクロンもいらないほど、3時間の間1秒たりとも飽きることのないストーリー展開に
ハラハラドキドキ
涙ボロボロ
とにかく素晴らしい世界観を堪能させていただきました。
正直、これは何度も観直したい映画だと思いました。
1作目から一貫して、テーマはワンネス
1作目のアバターでも、森の動物たちと【絆】を結ぶシーンが描かれていましたが、今回は森だけでなく海まで、壮大なスケールで物語が展開されていきます。
私が個人的に心惹かれる映画というのが、
環境保護、動物たちとの絆、ワンネス、家族愛、人類愛
そういった、自分自身の感性や価値観、生き方にフィットするテーマなんですよね。
この作品はまさしくそのテーマをまるっと扱っています。
他作品で同じようなテーマを扱ったものでいうと、ディズニーのポカホンタス、平成たぬき合戦ぽんぽこ、もののけ姫、美しき緑の星、あたりでしょうか。
どれも大好きな作品なのですが、アバターは中でも特に、ポカホンタスにとても近い世界観ですよね。
ネイティブアメリカンをイメージしたであろう人物設計や、『開拓者と先住民』の物語であるところ、自然界とのワンネスをテーマにしているところが特にそうなんですが、
作品の中で描かれる、すべての生命を繋ぐネットワークは、1960年代に元NASAに勤務していた英科学者ジェームズ・ラブロックが提唱した『ガイア理論』(地球を自己調節機能をもつひとつの生命体とする説)から着想を得たようです。
もうこれ、
ジェームズキャメロン監督自身が精神性が高くって、完全に目覚めてる方なんだな
と、今回の映画を通して確信しました。
まるで異世界へトリップしたかのような美しい映像
作品中に描かれる海の世界は、南国の海を思わせる透き通った息を呑む美しさ。
正直、この映像を見ただけでも、
「美しい海を大切にしなくちゃ」
という感情が自然と湧き起こるほど。
そしてもうひとつ見逃せないのが、
ダイナミックな描写とスピード感!!!
ジェームズ・キャメロン監督自身がスキューバダイビングの愛好家であり、彼の手がけた「アビス」「タイタニック」といった作品では、専用の機材の開発まで手がけたほどの水中撮影マニアなのだそう。
そのこだわりあってか、3D撮影、CGを駆使して製作された映像は、そのリアリティ溢れる臨場感に、ここが映画館であることを思わず忘れてしまうほどでした。
反捕鯨映画なのか?
ネットの口コミで、一部の描写について
って批判も散見されました。
ジェームズ・キャメロン監督は大学時代に海洋生物学を専攻されていたそうですし、熱心な環境保護論者として有名です。
作品に自身の感性やメッセージを込めるのは、何も非難されることではないと思います。
わたしは捕鯨反対ですが、クジラがどれだけ地球にとって大切な役割を担っているか、それを知ったら捕鯨賛成!なんて安易に口にできないですよ。
大型クジラは 1頭あたり平均33トンのCO2を数百年にわたって大気から隔離する
というニュースが最近でも話題になっていました。
クジラは長生きで100歳を超える個体もいることから、「海で最大規模の安定した炭素プール(貯蔵庫)」になり得るという。死んだ場合も死骸が海底に沈殿し、体内に蓄積された炭素を閉じ込めておくことができる。
さらに間接的な炭素吸収方法として、排せつ物を通じた吸収も挙げられる。クジラの糞(ふん)には栄養が豊富に含まれていて、植物プランクトンがこれを摂取することがある。植物プランクトンは成長に従って二酸化炭素を吸収するほか、死ぬとやはり死骸が海底に沈み、わずかながら炭素を除去する。
こうした炭素隔離のプロセスが気候変動の緩和につながるという。隔離されなければ今後数百年にわたって地球を温暖化させる要因となる炭素を閉じ込めておくことができるためだ。
作品の中でも、
海はわたしたちの外にも中にも存在する
といった言葉がでてきますが、人間視点だけでなく、地球全体のこととして物事を俯瞰することはとても大切だと思います。
わたしたちは自然から切り離された存在なのではなく自然の一部なのですから、
自然に対して行うことは自分に対して行うことと同じ
なんですよね。
3作目はあるの?
今回13年越しの2作目ということで、アバター3作目はあるのか?という期待も高まるところだと思います。
わたしとしては、これは3作品目につながる伏線の残し方では?!と思う終わり方でしたので、きっとまた素晴らしい作品が数年後に劇場で観られるのではないでしょうか。
Avatar(アバター)はSFであり、同時に「リアリティ」である
この映画は単なるSF映画でなく、わたしたちがこの星で行っている「リアリティ」です。
1作目では、地球からは遠く離れた神秘の星“パンドラ”へ新たな資源を求め「スカイピープル(人間)」たちが侵略してきます。
これは、地球上でわたしたちが熱帯雨林を切り拓き、環境や野生動物たちのことを度外視した振る舞いをしていることと重なります。
ジェームズ・キャメロン監督は、インタビューで次のように答えています。
未来への希望を失わないことは父親として重要な役割で、望ましくない未来を描き警告とすることがサイエンスフィクションの使命とも考えています。著名なSF作家のアイザック・アシモフは「確かにSFはただの現実逃避だ」と言っていましたが、私はSFがガードレールとして機能することで、私たちが望まない未来へ突き進むことを防ぐことこそが、SFの重要な役割だと考えてきました。
しかし、私はただ警鐘としての映画を撮りたかったわけではありません。美しいと感じられる世界へ観衆を引き込む映画を作りたかった。私たちがただのロボットやただの昆虫であれば、美しいものを見ても何も感じません。海の美しさや、魂のこもったキャラクターに感情移入したことによって心が動き、何かを感じてもらえたらそれこそが“希望”となります。
◆出典:「SF映画の使命は未来を守ること」ジェームズ・キャメロンが抱く危機感 「アバター」13年ぶり続編で伝えるメッセージ
SDGsやインパクト投資など、世界的にも脱炭素、サステナビリティの流れに風向きが変わってきてはいますが、そんな時代に生きるわたしたち人間が
- これから何を大切にするべきか
- どう生きるべきか
- 物質的な豊かさを享受できるようになった今、本来の豊かさとは何か
- この星の問題について自分たちがどんな立場をとっていくのか
その道筋を、この作品が示してくれているように思います。
わたしたちは肉体的に進化を遂げましたが、これから先は精神的な進化をしていくべきなのではないでしょうか。
子供が「自分のおもちゃ」を独占したがるように、自分たち人間だけの得を考える生き方ではなく、大人として、自分たちを取り巻く環境、存在、視野を広げすべてへ思いやりを持って生きること、振る舞うこと。
それが現代を生きるわたしたちに求められていることなのだと思います。
とても深く素晴らしい映画でしたので、ぜひハンカチ持参で劇場へ足を運んでみてください。☺️