こんにちは🌞
(株)ラヴィステラCEO、植物療法士のさとみ(@stm_nd)です。
世界一高級と呼ばれるコーヒー、コピ・ルアク(Kopi Luwak)をご存知でしょうか。
「コピ」はインドネシア語でコーヒー、
「ルアク」は、現地語でマレージャコウネコのことで、インドネシアに生息するジャコウネコの糞の中から採取される未消化のコーヒー豆です。

コピ・ルアクは、ジャコウネコにコーヒーの果実を与え、未消化で糞から排出された種子をコーヒー豆として使用します。
実はその生産過程には、とても残酷で悲しい動物の犠牲があります。
世界一高級なコーヒー、コピ・ルアク生産の影で苦しむジャコウネコ

コピ・ルアクの生産方法
インドネシアのコーヒー農園では、主にロブスタ種のコーヒーの実が栽培されています。果実が熟したころになると野生のマレージャコウネコがそのコーヒーの実を食べにやってきます。
コーヒーの実の果肉は、栄養源となりますが、種子にあたるコーヒー豆の部分は消化されずにそのまま糞と共に排泄されます。
この時に、種子の表面部分は消化酵素の作用によってたんぱく質が分解・発酵されるために独特の香りと味が作られるのです。
ジャコウネコの消化酵素の働きや腸内細菌による発酵によって、コーヒーにキャラメルのような独特の香味が加わると珍重され、1ポンド(454グラム)当たり230ドルで輸出されています。
現地の人たちはその糞を探して、洗浄してコーヒーの種子を選別し、コーヒー豆として利用します。

かつては生産者は、森に入り野生のジャコウネコの糞を探し出しすという方法だったために、ごく少量の豆しか収穫することができませんでした。
そのため、もともとはとても貴重品で超高級品でしたが、いまではお土産店で普通に購入することが出来ます。
それには理由があるのです。
まず、野生のジャコウネコを捕獲してとても狭いケージに閉じ込めます。
そして、栄養価の低い食事に無理やりコーヒー豆をたくさん混ぜて食べさせるのです。


現在少なくとも数万頭ものジャコウネコたちが不当に捕獲され、劣悪な環境下でコピ・ルアクを生産され続けています。
本来の食性を無視した飼育方法
もともとジャコウネコは肉食動物。コーヒーの実は、ほんのわずかしか食べません。
でも、コピ・ルアクの生産現場では、ジャコウネコたちの健康を無視したまま、コーヒー豆だけを食べさせ続けています。
そのため、多くのジャコウネコたちは、病気になり、ひどい消化器疾患を患い、感染症にもかかりやすくなり、癌になり死亡します。
だから毎年50トンをも超えるコピ・ルアクが輸出できるのです。

このコーヒーの生産現場は主にインドネシアですが、豆の生産を担うジャコウネコたちの環境は鶏肉工場のニワトリのケージようだと、動物福祉団体が強く警告を発しています。
野生から捕獲されたジャコウネコは小さな檻に入れられ、新たに生まれた家族とも引き離され、無理やりコーヒーの実を与えられ続けます。
何万ものジャコウネコが、過酷な環境下にあります。
2008年に50キロだったコピ・ルアクの出荷量は、09年には300キロ、10年には1.2トンと3年で出荷量が24倍に急増しています。
と語るのは、Traffic south-east AsiaというNGO団体地区副本部長のクリス・シェパード氏。
ジャコウネコがケージの中でひっきりなしに頭を振ったり、グルグル回ったりと神経症的な行動をしている様子も報告されています。
一度捕らえられたジャコウネコは野生に戻ることができない
このように採取されることの問題点は、まず第一に、ジャコウネコが野生に戻ることができなくなること。
そして第二に閉じ込められたストレスのせいで精神的に病んでしまい、美味しいコピ・ルアクを生成するのにかかせないジャコウネコ本来の嗅覚がにぶってしまうこと。
それによって美味しいフルーツやコーヒー豆を見分けられなくなってしまうことです。

さらに現地では一般的なジャコウネコも、種によっては絶滅危惧種のリスト入りしているものがあり、動物愛護問題や倫理的問題だけでなく環境問題につながっています。
一度人間の手によって本能を奪ったり精神的なストレスを与えられた野生動物は、二度と野生生活に戻ることはできません。
知らず知らずに購入している物が、実はとてつもない犠牲の上に成り立っていることがある。
幸い、今はインターネットでどんな情報も手に入る時代。
「これなんだろう?」と思ったらまず調べること、納得した上で購入することを習慣にしたい。わたしたちの消費が事業を後押しするのだから。— 野田さとみ (@stm_nd) October 21, 2020
生産の裏が見えないために私たちは気軽な気持ちで購入してしまうことが多いですが、何かを購入する前には、一度その裏側を考えてみる姿勢が必要でしょう。
