こんばんは🌖 (株)ラヴィステラCEO、植物療法士のさとみ(@stm_nd)です☺️
今日は新商品のフェイスクリームの試作品の打ち合わせでした✨
簡単にはいかない「ヴィーガンコスメ」

納得のいく完成度に近づけるのがなかなかに難しい、フェイスクリームのテクスチャー。
通常、クリームや乳液のように水とオイルを混ぜ合わせる(乳化させる)のには合成界面活性剤というものを使用するのですが、これはお肌のバリアを壊してしまうので、ナチュラルスキンケアの観点からは避けたいもの。
(合成界面活性剤についてはヴィーガンコスメ入門講座で詳しくお伝えしています☺️)
この合成界面活性剤の代わりとして使用する天然の乳化剤として、卵黄や大豆から作られる「レシチン」がありますが、ヴィーガンコスメで使えるものは大豆レシチン。
このレシチンは攪拌にコツが必要で、扱いが難しいことから、やはり安価で扱いやすい合成界面活性剤を使用するのが化粧品業界では一般的となっています。
今回壁としてぶちあたっているのが、気にならない程度ではあるけれど小さな結晶ができてしまうこと。
(手の温度ですぐに溶けてしまう程度のものではありますが。)
これは、植物ワックスの融点が比較的高いことで冷却固化の際に先に結晶化してしまうので、植物ワックスを使用している以上どうしても避けられない現象なのですが、
大豆レシチンを少量添加すると結晶化が防げる処方例が工場にあり、完全には無理ですがある程度は防げるようです。
オリーブ乳化ワックスは天然か否か
オリーブ乳化ワックスは、手作りコスメ業界の界隈でも天然と呼べるのか賛否が分かれるところで、製造元の担当者と議論を重ねておりましたが、
オリーブ由来の脂肪酸にソルビトールやセタノール(ステアリルアルコール混合物)を脱水縮合した化学的な産物なのでいくらエコサート認証が採れたオーガニック原料といっても合成界面活性剤に入ると思います。天然の界面活性剤である石けんとは別次元であると考えます。
との見解でした。
なめらかなテクスチャーに仕上げるための素材のひとつとして、当初はピックアップしていましたが、
質感の向上よりも心から安心してお使いいただけるものを
ということで
大豆レシチンを使用し、配合比率を変え、工場の技術をもって理想のテクスチャーに近づける方向性で進めています。

実はミツロウを使うことで乳化の役割をもたせることもできるのですが、こちらは蜂蜜由来なのでヴィーガンコスメはNG。
ラヴィステラで販売している乳液(ボタニカルモイストミルク)は、ご使用前に振ることで物理的に乳化させる二層式のタイプですが、
クリームはこのような二層式にするわけにはいきませんので、乳液よりも難しいのですね。

何度も試作を重ね、ほとんど気にならないぐらいのテクスチャーになってきていますが、いわゆる市場に出回っているツルンとなめらかな質感というのは成分にこだわればこだわるほど難しく、さらに植物由来成分のみと限られた中での開発ですので本当に悩ましいところです。
企業利益だけを追求するのであれば、動物性不使用のケミカルヴィーガンコスメがよほど原価も抑えられますし、こんな風に開発に頭を悩ませなくて済むのですが、
お客様のためを思うと、一切の妥協はしたくないのです。

実はこれまでも、発売予定で何度も試作をしたけれど納得いくものができなくて、結局お蔵入りしてしまった商品というのもいくつもあります(泣)。
天然成分100%、パームオイル(グリセリン)フリー、動物性成分不使用という限られたものの中で理想の商品を生み出すのは、いつも根気との戦いです。
なかなか一筋縄ではいかない、商品開発の裏話でした。
ラヴィステラのブランドストーリーにも通じる、発売予定のフェイスクリーム。
デザインもとってもいい感じに仕上がってきていますので、もう少し改良ののち、今年の冬にはみなさまにお手にとっていただける運びで進めています☺️
楽しみにお待ちくださいね💕
https://satominoda.com/laviestella-2/
